スーツ姿のおじさんに物乞いされる
- 2010.02.14 10:07 PM
いかがお過ごしでしょうか。
こちらサンパウロは昨年12月1日以来、連続47日間続いた夕方の豪雨がようやく途切れました。
至る所で川が氾濫し、先日はうちから歩いて5分の川が氾濫。
普段通っている大通りが水浸しになってしまい、危うく自分の車もお陀仏の手前でした。
サンパウロは坂が多いため、一度雨が降ると地盤の低い方へ低い方へと水が川のように流れます。
それに加えて脆弱な下水・排水処理能力のインフラ。
都市圏への人口増加のスピードにインフラ整備が明らかに追いついていません。
この異常事態により、47日間の大雨でサンパウロ市内では74人が亡くなりました。
明らかに気候がおかしくなってきています。ここサンパウロも。
こういう現象は、必ずしもサンパウロをはじめブラジルの都市だけではなく、
急速な人口流入によってできあがった新興国、及び途上国の都市圏全般的に起こりうることなので、
一国単位ではなく世界レベルでの対策が必要ですね。
そんなとある平日の夕刻、仕事を終えて会社から駐車場へ歩いていた時のことでした。

↑とあるダウンタウンの駐車場にて。右側の3階のような部屋、賃貸ないですかねぇ。開放感抜群なんだろうな。
雨と風を感じられること間違いなし。
僕は携帯で友達と話しながら歩いていたのですが、
背後から「Senhor!(そこのあなた!)」という声が聞こえてきました。
ここサンパウロでは夜道で話しかけられた場合、基本は無視するのが安全上無難です。
が、あまりに穏やかな掛け声だったので振り返ってみると、
一人のスーツ姿の東洋人系の一人の男性が立っているではありませんか。
「電話中に失礼しました。いまお時間大丈夫ですか?」
物静かそうな男性から発せられた言葉は、綺麗なポルトガル語で、
最上級の敬語で話しかけてきました。
そのわざとらしいまでの敬語に、僕はどこかの店の客引きか、
新手の怪しいビジネスの話か、はたまた新興宗教の布教活動かどれかだろうと瞬間的に思いました。
「何ですか?」と答えると、
「私はBela Vista(地区名)から歩いて坂を下ってきました。
今日は大変暑いと思いませんか?私はもうこの調子で汗が止まりません。
ところで、大変お恥ずかしい話なのですが、今手元に小銭ががなくて、
多少の小銭があったら私に恵んで頂けないでしょうか。
私はご覧の通り普段は物乞いではないのですが、小銭がなくて昼ご飯も食べていないのです、、、」
巧みな言葉でこちらからの返しを入れさせない話術は、
とてもとても、物乞い慣れしていないとは思えませんでした。
そして最後には、「もしあなたに慈愛の心がおありなら、恵んでくださると助かります。」の決まり文句。
・・・怪しい。どうみても怪しい。

僕は話を聞きながら、その人の着ているものなどをチェックしていたのですが、
ネクタイもちゃんとしたネクタイをつけていたし、シャツもちゃんとアイロンがけしてあるシャツで、
とても物乞いするような身なりではないのです。
パウリスタ通り近郊でスーツ姿のアジア人が物乞いをしてくるという噂は聞いたことがあったのですが、
よりによってなぜ僕なのか。
通りすがりの人が見たら、どう見ても会社の上司と部下が話をしているとしか見えません。。
昨今、サンパウロでは身障者を装った物乞いや、あたかも貧しい母子家庭を装った物乞いの人々が
発生しているとメディアで流されていました。
果たして彼も偽装物乞いの一人だったのでしょうか。
"物乞い"という行為自体がわれわれ日本人にとっては抵抗のあること。
その"物乞い"を同じアジア系の、しかも身なりのしっかりした人からされたという事実を考えると、
何だかすごく不思議な感覚というか、やるせない気持ちになってしまいました・・・。
サンパウロの現状をちょっと考えさせられた出来事でした。
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