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サンパウロ建築ビエンナーレ

  • 2011.12.19 12:30 AM

先週サンパウロでレーシック手術を受けました。
度が悪かったせいか、完全回復には1ヶ月程度かかるそうですが、
ようやく最近になってまともに文字が読めるようになって来ました。。

というわけで、今回は手術前に仕込んでおいたネタのリリースです。
*
2年に1度の建築のお祭り@サンパウロに行ってきました。

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前回(2009年)はどうしようもなくつまらなかったので、ブログにすら載せませんでしたが、
今回はそのグラフィックに惹かれて見に行ってきました。

--9A BIENAL INTERNACIONAL DE ARQUITETURA DE SÃO PAULO--
第9回サンパウロ建築ビエンナーレ
期間:2011年11月1日~12月4日
場所:Pavilhão Lucas Nogueira Garcez(通称OCA)

場所はイビラプエラ公園の中にあるPavilhão Lucas Nogueira Garcez、通称OCA。
今まではこの建築ビエンナーレは、その名もBienal(ポルトガル語でビエンナーレ)館という
別の建物で開催されていたのですが、予算の都合上なのか、
今年はコンパクトな規模でOCAでの開催となりました。

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上の写真がOCAです。1951年に地球に降臨しました。
一応巨匠オスカー・ニーマイヤー氏(巨匠、104歳おめでとうございます。
12月15日に104歳の誕生日をお迎えになられました。)による設計とされていますが、
アメリカのエリア51ロズウェル事件の4年後のことです。

104歳を迎え未だに現役の建築家として働いているニーマイヤー氏は、
実は宇宙人だという噂もありますが、、、
矢追さんにリサーチをお願いしたいものです。

(写真の男は本編とは一切関係ありません。)

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入場料は一般R$10(約500円)です。前回は倍近くした記憶が・・・。

中に入ると早速出迎えてくれるのが、今までのビエンナーレのポスター。
こんなポスターの展示の仕方初めて。マッシブなコンクリートとガラスのバランスがいい感じです。

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ちなみに、これが1973年に開催された第1回サンパウロ建築ビエンナーレのポスター。
こちらはビエンナーレ館の写真ですが、このポスターの右詰めっぷりなデザインが最良でした。

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OCAはBIENAL館よりも狭いといっても、地下1階地上3階の計4階構造です。
階段はまったくなく、4層が全てスロープでつながっています。
このスロープを上り下りするだけでも立ち位置によって全く違った視線が抜けるので楽しいです。
コルビュジエの影響を多大に受けたニーマイヤー氏ですから、
「これは建築プロムナードです」言った方がいいかもしれませんね。

*建築プロムナード:コルビュジエが生み出した手法の一つ。
異なった空間が間隙なく相互に結びついている空間の連続性のこと。

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・・・といっても、この4層分のスロープを上り下りするのは正直言って疲れるわけです。
個人的には、まず歯を食いしばって最上階に登って、ゆっくり降りていくのがおススメです。

というわけで、まず最上階。
ここは世界各国からの一般公募プロジェクトが展示されていました。

ニーマイヤー氏の建築をデジカメのオートモードで撮影するとよくあることなんですが、
今回も白が飛んでしまいました。
もしかしたら、これは彼が仕掛けたブラックボックスならぬホワイトボックス!?

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これはYoung Architecture Practiceによる"The Future Box"という作品。
ルワンダのスラム街に、風力と太陽発電で機能するトイレや水回りなどの簡易インフラ設備装置を
埋め込むというプロジェクト。

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これはドイツのProf. Han Slawik architectによる"Container Architecture"。
コンテナを使った提案はありふれていますが、デザインが良かったですね。
自分が学生時代に考えたコンテナとほとんどデザインが同じでびっくりでしたが、
実際に建ててしまうのがすごいところです。

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これもプレハブ系住宅で、ヘルシンキにあるAalto University(アアルト大学)によるもの。
これは仮設というよりも恒久的な木造プレハブ住宅の類ですね。
CTスキャン断面のようにレイヤー状になった木材を置いていくというのは中々面白いですが、
けっこう重そうですよね・・・。

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こちらは、Roswag Architekten, Eike Roswagによるモザンビークの社会住宅。
地場産の竹、日干し煉瓦、藁で構成された住宅で、建築自体は白川郷の"結"のように、
住民自身で行われます。
意匠性とエンジニアリング、社会性、そしてサスタナビリティ性を追及する彼らの活動は、
いわゆる旧来の建築家とは違ったスタンスの強い意志を感じます。
今後大注目です。

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一般公募の作品はこれくらいにして、そろそろ下に下りていきましょうかね。
個人的にはブラジルの作品であまりいいのがなかったのが残念・・・。
ちなみに、優秀賞を受賞した作品はこちらから見られます。

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3層目はサンパウロ市やリオ市など、行政による都市計画、及びソーシャルハウジングプロジェクトの紹介。
この中で注目だったのは、リオ市イパネマにある"Cantagalo"というファヴェーラのプロジェクト。
(ファヴェーラ=本来は不法占拠地区の意味ですが、一般的にはスラムと呼ばれます)

おそらくブラジル国内で最も大きい貧富の差が最も狭い地域に混在するイパネマ地区。
そう、名曲Garota de Ipanema(イパネマの娘)が生まれたあのイパネマです。
自分も昔この地区に住んでいましたが、Cantagaloは身近な場所でありながら、
絶対に近づくなといわれていた場所でもありました。

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リオ市中心部のファヴェーラは基本的にMorro(モッホ=丘)と呼ばれる急勾配の丘にあります。
多くの家は大雨時の崩壊などの災害リスクを常に抱えており、
狭い場所に際限なく広がるため犯罪の温床(特に麻薬)になることが多く、
旧来の政策ではそのMorroから平地へ住民を移動させようとするものでした。
いわゆる既存のスラムを一掃して、まったく別の場所へ団地などの住宅を作って住まわせる
スラムクリアランスの手法です。
僕が2002年から1年間研修をしたサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市役所の現場においても、
スラムクリアランスの手法が当たり前のように実践されていました。

ですが、リオにおけるMorroというのは既に景観の一部として世界中に広く認識されているため、
昨今ではようやく行政も既存のMorroを活かしてファヴェーラの環境を改良していく政策へ
変わってきています。

この"Cantagalo"プロジェクトもそのうちの一つ。
既存の宅地の隙間に住民たちの集会場や教育施設、保育所を埋め込んでいくプロジェクトです。
自分の学生時代の卒業設計と重なる部分が多々あったので、
個人的にもこのプロジェクトはしっかりフォローしていこうと思います。

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こちらはサンパウロ市によるソーシャルハウジングプロジェクト。
展示にお金をかけてるなぁという感じですが、、、

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これはサンパウロで最も有名なファヴェーラ、Paraisópolis(パライゾポリス)に新築された住宅団地。
よくデザインはされてますが、まるで高島平団地です。行く末が心配です。

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こちらもサンパウロでは有名なファヴェーラ、Heliópolis(エリオポリス)の住宅。
シリンダー型のデザインが目を引きますが、デザインはブラジル建築界の重鎮
ルイ・オータケ氏(日系3世)によるものです。
先日ルイ氏の講演会に初めて行きましたが、R$30と有料だったにもかかわらず、
相変わらずの大人気でした。あの人気は淡々と話すそのパーソナリティから来るのでしょうか。

ここでは2つだけ紹介しましたが、サンパウロ市のファヴェーラ政策やハウジングプロジェクトは、
相変わらずのスラムクリアランス型というのが否めません。
サンパウロは所得によってある程度街区の住み分けが進んでいるため、
混在型のリオと同じレベルで語ることはできませんが、どうも一時代前のプロジェクトとしか思えません。
気鋭の建築家とコラボしたりするのはいいですが、結局作っているものが時代遅れで、
即効性がありません。
もっと住民が明日必要としているものを考えたプランニングが必要だと思うのは僕だけでしょうか。

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地上階に降りて来ました。
このフロアには世界中の建築家協会セレクトのプレゼンが展示されていました。
(ちなみにアジアからの出展はゼロ。多くは欧州とラテンアメリカ諸国でした。)

こちらはその中の一つ、ポルトガル建築家協会による展示。
以前こちらでも紹介させて頂きましたが、日本でも開催されていた"Tradição é inovação"展が
サンパウロにもやってきました。
志岐さん、お疲れ様でした!次回はEspanhaでお会いしましょう!!

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続いて地階にやってきました。
僕は行ったのは金曜日の夜21時だというのにここは何やらザワザワしてました。
どうやらワークショップが行われていたようです。
ここでサンパウロの建築専門書店のオーナーと出会いました。

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伝説のブラジリアコンペのファイナリストたちの作品も展示されていました。
採用されたルシオ・コスタ案は、他の案に比べて極めて単純明快に説明されていたことが
よくわかりました。

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さらにこのフロアでは、最近ブラジルでも浸透してきたレゴが協賛となり、
レゴで自由に遊べるコーナーがありました。

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サンパウロの名建築もレゴで作られていました。
・・・なぜ男性だけ裸なのかわかりませんが。
下半身から突き出ていたブロックの一つはしっかり撤去しておきました。

というわけで、今回のサンパウロ建築ビエンナーレ、
個人的には盛り沢山で面白かったですね。結局2回も行ってしまうことになるとは。。笑
建築の専門家ばかりじゃなく一般の方々も多く来ていたようで、
少なくとも前回よりは評判が良かったんじゃないでしょうかね。

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